ボケの種類 ④ -前ボケについて-

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やさしい眼差し

背景を整理し主役を際立たせる”後ボケ”表現に対して、”前ボケ”による写真表現はやや異なります。
”前ボケ”とは、焦点を合わせた被写体の手前に意図的に別の要素を差し入れ画面の一部をボカす事。
主役の手前にボケを入れて撮ると、物陰越しから被写体を眺めているようなアングルになるので、
やさしい眼差しで被写体を見守るような、柔らかいニュアンスのある写真表現になるのです。

○ 臨場感を表現する

タイトル写真のように、群生する花畑の中から主役の子供を撮影すると、あたかも自分自身が親の
目線で、子供を暖かく見つめているかのような効果を生み出すことができます。その場にいるかの
ような暖かい空気感とやわらかな雰囲気が感じられます。

○ レイヤーを表現する

またこの写真のように、主役となるカタツムリの子供に焦点を合わせ、その前に咲いている紫陽花を
ボカすと、花と葉の位置関係を明確に分かれ、画面に立体感を加えることができます。奥の主役と
手前の脇役とのコントラストを明快にするだけでなく、画面に奥行き感を加えるテクニックの一つ。
前ボケ_4

○ 空気感を表現する

前ボケとなる被写体に思い切って接近し、画面の中に前ボケを大胆に配置すると、対象物は色のカー
テンに変わります。その効果を利用して、画面をふわっとやわらかい、エアリーな雰囲気に仕上げる
事ができます。大胆に前ボケを使うと、春の明るさや初夏の爽やかな空気感を表現することが可能。
前ボケ_2

このように、後ボケと前ボケでは、同じボケ味効果でも、表現手法が大きく異なっている事に
気が付くと思います。ボカす要素は、被写体の”前”か”後ろ”か、表現意図に合わせて選択するだけで
なく、露出補正と組み合わせることで、更に一歩踏み込んだ写真表現に挑戦しましょう!
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< タイトル写真 >f2.8 1/1250秒 ISO100 露出補正+0.3
Canon EOS 6D レンズ: EF24-70mm F2.8L II USM 45㎜
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>>> ボケの種類 ⑤ -前後ボケについて-
<<< ボケの種類 ③ -後ボケについて/ボカす方法-
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