T2_鹿

フィルムの味。

フィルムで撮る、ということ。それは、レンズから導かれたその場の光景を、化学的にフィルムに焼き付ける、という行為。

ミクロな撮像素子の一つ一つにデータを記録して、画像を生成するデジタルカメラとは明らかに異なる、リニアで現象的な画が見る人にリアルな情景を想起させるのかもしれません。そしてこれこそが、デジタルとは違う”フィルムの味”なのでしょう。

春日大社の鹿

奈良 春日大社の参道を牛耳る、古株のような風貌。
目の前でCONTAX T2を構える私の存在など、意にも介さず素知らぬふりのこの鹿。カメラを構え、絞り開放F2.8、プログラムモードでシャッターを切るだけで、主役の彼を周囲から自然に浮き立たたすナチュラルなボケ味を、手軽に表現することができます。

既視感

しかし、Carl Zeiss Sonner T* 38mm F2.8が醸し出すこの色には、なんとも不思議な現実感があります。記憶の中のリアルというか、虚構のような現実というか、いつかどこかで見たような生々しい”既視感”が感じられるのです。
何かの本に、デジタルは「記録」、フィルムは「定着」、と書いてありました。光がフィルムに及ぼす色の化学変化は、CCDやCMOSが読み取る色の情報とは、その性質からして根本から違うのです。

それはきっと、針を落として聴くレコードの音にどこか温かみを感じるように、フィルムに写した写真に記憶をくすぐるリアリティーを感じるのかもしれません。
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