CONTAX T2 レビュー Vol.1
高級コンパクト
発売は1990年。つまり今から30年前のこと。四半世紀以上も前に登場したCONTAX T2は、もちろんフィルムカメラ。「良いカメラといえば一眼レフ」という時代の中、コンパクトカメラでありながら本格というジャンルを築き上げ、高級コンパクトの最も理想形・完成形に近いモデルと言われています。
良いレンズと良いボディ。
CONTAX Tシリーズがこだわり続けるのは「良いレンズと良いボディ」。カメラとして極めてシンプルなこの設計思想を中心に置いて生まれた初代”T”。その血統をそのままに、オートフォーカス機として生まれ変わったのがこのCONTAX T2です。(CONTAX Tはマニュアルフォーカスでした)
レンズ
では”良いレンズ”とは?それは、Carl Zeiss Sonner T* 38mm F2.8。4群5枚の構成、システム全体は非常にコンパクト。各収差補正も良く解像力に優れ、周辺域まで高画質が行き届いているところが、ドイツのカールツァイスらしいこだわり。
ボディ
では”良いボディ”とは?それは、コンパクトカメラで初めて採用されたチタンボディ。軽く、強く、耐食性に優れるため、工業製品としては理想的な素材でありながら、加工が困難でかつ非常に高価でもあるチタンをあえて採用し、道具としての本質機能と所有する喜びを満たす、こだわりのボディを作り上げました。
プライス
結果、当時の価格でなんと定価12万円(!!)という、コンパクトカメラとしては超破格のプライスで登場。ちなみに同時期に発売された一眼レフ、Nikon F-601は8万5千円、EOS 1000 S QDで7万6千円です。いかに規格外の価格だったかが分かります。
カールツァイスの優れた写りを気軽に楽しめる。しかも洗練されたチタン製のカメラ。12万という価格の壁に当時は手を出せませんでしたが、私が中古のT2を手に入れたのは2009年。価格はなんと2万2千円!今では再び価格が高騰し、9から10万円ほどになっているのが驚きです。
さて、今またその魅力が見直されている往年の名機CONTAX T2。Carl Zeiss Sonner T* 38mm F2.8の写りとは? その独自の味、魅力的な写りについて、次回よりご紹介していきます!
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