興福寺中金堂落慶法要
ポロのフォトログ
三百一年の時。
西暦710年の創建以来、七度もの火災で焼失と再建を繰り返し、1717年の火災以降その姿を見せることが叶わなかった、興福寺中金堂。平成の初頭から計画された再建の指針から約四半世紀。2018年10月7日のこの日、三百一年の時を経て、ついに八度目となる中金堂再建完成の日を迎えました。
アフリカから
中金堂再建にあたり、興福寺の多川貫首が最も大切にしたこと。それは、天平の時代と同様の規模と造りを再現すること。つまり、天平時代の空気をここに蘇らせることに拘ったのです。従って、建物を支える大柱の材は、巨大なケヤキでなくてはなりません。しかしこれほど大きなスケールのケヤキはもう日本には存在しません。では中金堂のケヤキはどこから? …答えはアフリカ、カメルーン。天平時代には考えられなかった、果てしないグローバルな話です。
鴟尾再照
以前、瓦を寄付したことがあり、この日の落慶法要に参加することができました。指定された席まで歩く途中、完成したばかりの中金堂を眺めていましたが、屋根の上の東と西の鴟尾にはまだ白い布が被せてあります。午前十時から法要が開始され、導師、式衆が着床した後、鴟尾へとつながる五色の布が引かれます。すると、白布がはらりと解かれ、夏の暑さがまだ残る晴れやかな青空を背景に、美しい金色の鴟尾の眩い輝きが、平成の最後の年を再び照らしたのでした。
>>> 花鳥風月、奈良の色。
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