SONY XBA-A2 レビュー −構造−
新型BAドライバー
XBA-A2の前衛機種、XBA-Hシリーズから大きく進化したポイント、それは新型のBAドライバー。
BA(バランスド・アーマチュア)は、磁性体の合金と磁石との間に働く絶妙なバランスを調整
しながら駆動させる非常に繊細な構造のため、ユニットの開発も製造も大変に難しく、民生用電子
機器でありながら、ミクロン単位の加工技術で作り上げるという、匠の世界の仕事なのです。
ダイレクトドライブ構造
入力された電気信号を振動に変換するアーマチュア(電機子:でんきし)に、ステンレスの振動板
を連動させて音を鳴らすのがBAの基本構造。アーマチュアと振動板の間に複数のパーツが連結
されている一般的なBAに対して、振動板から直に連結させているのが、XBA-A2。ダイレクト
ドライブ構造と呼ぶ、従来型では発生していた微細な振動ロスを極力抑えたこだわりの設計です。
シンメトリックアーマチュア
BAの核となるアーマチュアの構造自体にもメスを入れ、縦にクランクするこれまでの形状から、
フラットで上下対象形のシンメトリーな構造に変更することで、音の再現性を向上させ、これまで
よりも更に感度の高い音を表現できるドライバーに進化しました。
”静寂”の表現
ジャズドラムのブラシが奏でる繊細な掠れ音。曲のエンディングで徐々に消え入る美しい女性
ボーカルのビブラートと余韻。様々な楽器や声の表現力はもちろんのこと、何よりも”静寂”の
空気を描き出すことができる能力が素晴らしいのです。静の空間があるからこそ、そこに描かれる
音の美しさが際立つ。これこそ、XBA-A2に搭載されたBAドライバーの真骨頂と言えるでしょう。
音のクオリティを実感できる、一段上のサウンド体験です。
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