ウォークマン「NW-ZX500」開発担当者トークショー Vol.3

WM-ZX500_4
オーディオ・レビュー

何を目指すか。

NW-ZX500が目指す音質の方向性とは?音響担当の松崎恵与さんは迷わず、DMP−Z1の名前を挙げました。Z1といえば、希望小売価格950,000円+税、というモンスター級の製品!どうすればこのZ1の音に迫ることができるのか?その答えは実にシンプル。DMP−Z1と同じ音響パーツを使うことでした。

FT CAP2

バランス出力用の電源部に新たに採用した高分子コンデンサー、FT CAP2。この電子部品、DMP−Z1に採用されているものと全く同じもの。ポータブル・オーディオにも関わらず、100万円クラスのハイエンド・オーディオと機関部品を共にするという贅沢仕様。これで音が向上しない訳がありません。

配置の妙

しかし、ただ高品質な部品を採用すればいいというものではありません。その配置バランスによっては、コンデンサー同士が干渉したり共鳴したりして、音質が低下することも。答えに窮した松崎さんは、単体コンポを設計している匠の技を知る先輩方のアドバイスを聞き、電極の幅やパーツ同士の位置を0.1mm単位で調整をし、ようやく理想の配置にたどり着きました。

低音の質

この設計の拘りにより、現行NW-ZX300と比較して低音の再生能力がアップ。FT CAP2により、クリアな音質と深みのある豊かな音色を奏でることに成功しました。音質向上の狙いに対し、パーツ選定をロジカルに決め、匠の技術で追い込む。デジタルプレーヤーの設計の中に、今でもアナログオーディオの大切な思想が脈々と受け継がれていました。
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