DENON AH-D9200 レビュー Vol.3
AH-D9200のサウンド
ヘッドホン史上、これまでどのメーカーも採用していない”竹”という素材を使って、DENONのヘッドホンとして最高峰の音に仕立て上げたAH-D9200。これまでのフラッグシップモデル、AH-D7200を超えるサウンドとは一体どのような音なのでしょうか?
解放と分離
個性豊かなDENONのWOODシリーズ(AH-D5200、AH-D7200、AH-D9200)。角機種を聴き比べた中で、このAH-D9200で最も驚かされたポイントが「開放感」。オーバーイヤー・ヘッドホンにもかかわらず、両耳全体を覆うイヤーパッドの存在を、すっかり忘れてしまうほど気持ちの良い開放的なサウンドなのです。
音場が広いとも言えるし、音の分離が良いとも言えるのですが、そうした分析的な表現を超え、機器自体の存在を感じさせないくらい”音”そのものにフォーカスしたサウンド。こんなにも開かれた自由な音に、これまで出会ったことがありません。
Hi-Fi
この素直で伸びやかなサウンドを楽しんでいるうちに、「Hi-Fi(原音再生)」というワードが自然と頭に浮かんできました。楽器も歌声もその場の空気さえも、あるがままに描き出してくれる。AH-D9200が奏でるサウンドのあまりの純粋さに、その驚異的なパフォーマンスの高さを意識することができませんでした。
エアリー
もしかすると、バランスドアーマチュアによる繊細で高解像度な音や、大口径のドライバーによる体に響く重低音などを聴き慣れた方には、どこか物足りない音に感じるかもしれません。しかし、一度心をリセットし、色付けしていない気持ちを持って、改めてAH-D9200を聴いてみてください。限りなくエアリーでピュアなサウンド体験は、新しさと普遍さを備えた、これまでにない新鮮な音との出会いになるはずです。
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